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損益の計算における発生主義

損益の計算における発生主義
現金主義はわかりやすい一方で弱点もある

第46号テーマ: 期間損益計算と発生主義会計の歴史的考察

1,期間損益計算と発生主義会計の意義
近代会計の大きな特徴は、継続企業を前提とした期間損益計算と発生主義会計である。期間損益計算の意義は、企業の利益計算を、期間を区切って行う事によって継続的な経営活動の成果を正しく把握することを可能にしたことである。発生主義会計の意義は、企業活動における費用の認識に経済価値の減耗と、将来の権利及び義務を取り入れる事で、収益と費用を対応させ正しい利益計算を可能にしたことである。
現代企業は、営利を目的とした社団法人である、社団法人とは一定の目的をもった集団であって、企業は継続的に運営されることを前提としている。そのために企業活動の成果である「利益」の計算を正しくするために、期間を定め、その期簡の収益と費用を対応させたと考えられる。
期間損益計算と発生主義会計は、期間を区切って収益と費用を対応させる事で、損益計算を正しく測定する事を可能にした法則であると思うのである。

3、発生主義会計の成立
(1)現金主義と非現金主義
現金主義は。損益を現金収支の事実を持って認識する会計の事をいい、非現金主義とは、現金主義から発生主義会計に移行する過程の、半発生主義会計及び発生主義会計をいう。今日の企業は、継続を前提とした継続企業形態で、損益計算は永続的な時間を人為的に区切った期間計算である。その期間計算は、企業会計の原則である費用収益対応の原則によって利益計算がされる。その費用収益対応の原則の基になっているのが非現金主義である。
現金主義は、現金の収入・支出と収益・費用とを同時点で把握し、現金収入を収益として処理し、現金支出を費用として処理して、その比較計算で損益計算を行うものであるため、現金の収支と費用、収益の認識が一致する事が必要である。非現金主義は、現金主義の利益計算に、将来収支計算及び固定資産の経済的減耗を反映させて利益計算を行う事で、より正しい利益計算をしようとするものである。

■参考文献
*新新・会計学 「著者 大友賛」(慶応義塾大学出版)
*簿記の歴史「著者 上原孝吉」(一ツ橋出版)
*ルカ・パチョリ簿記論「著者 片岡義男」(森山書書店)
*近代会計制度の成立「著者 大友賛」(有斐閣)

損益の計算における発生主義

企業会計では、一定の会計期間の損益を計算することを『期間損益計算』と呼びます。
3月31日が決算日であれば、前年の4月1日から3月31日までの1年間が会計期間となり、その1年間の会社の収益から費用を差し引くことで期間損益を求めることができます。
このとき、収益と費用を計上するタイミングによって『発生主義』『現金主義』『実現主義』という考え方が存在します。
企業の会計担当者にとって、会計の基礎となる3つの概念について解説します。

現金主義はわかりやすい一方で弱点もある

会社には原則として、永続的に営業活動を行っていくという前提があります。
したがって、企業会計ではある一定の会計期間で区切り、その期間の損益を求めることで、その一定の会計期間の実績を表すのです。
会計期間は、決算日までの1年間で区切ることがほとんどですが、四半期(3カ月)や半年で区切ることもあります。

まず、長い会計の歴史のなかで、最初に生まれたのは現金主義でした。
現金主義は、その名の通り、現金のやり取りが発生した段階で損益が確定するという考え方です。
たとえば、30万円の商品を仕入れて、50万円で売った場合に、仕入れのタイミングで仕入れ値の30万円を計上し、売ったタイミングで売上金の50万円を計上します。
とてもシンプルでわかりやすい考え方ですが、前払いや後払いの際に、正しく損益計算が行えないのが弱点です。
30万円で仕入れた50万円の商品を後払いで売り上げた場合、現金がまだ手元にないため、50万円を計上することができません。

そこで、現金のやり取りに関わらず、取引が発生した段階(収益や費用が発生した段階)で計上を行う発生主義という考え方が生まれました。
発生主義は、仕入れ値や経費、売上金が確定した段階で計上するため、前払いや後払いにも対応することができます。
前述の例では、後払いであっても50万円の商品を売った段階で売上金を計上できることになります。

そこで、発生主義では『減価償却』という方法で費用の計上を行います。
この減価償却が発生する資産のことを減価償却資産と呼び、一般的には時間の経過によってその価値が減っていく機械設備や器具、備品などが該当します
減価償却では、これらの減価償却資産の取得に使った費用を、一定の方法によって各年分の必要経費として配分して手続をします。
たとえば、機械の耐用年数が5年であれば、1年ごとに10万円ずつ、5年に渡って減価償却費として計上していくことになります。

つまり売上の立っていない収益(実現されていない収益)は、その会計期間の収益としては認められないということです。
そこで、日本の会計基準では、収益の計上に関して実現主義が採用されています。

実現主義は、収益の計上日は商品の販売やサービスの提供を実現した日となります。
具体的には「販売した日」や「提供した日」です。
たとえば、60万円の商品の発注を受けて、20万円の手付金を受け取ったとします。
このとき、発生主義であれば60万円をそのまま計上しますが、実現主義では手付金の20万円を前受金として計上します。
商品を取引先に受け渡した時点で60万円の売上を計上し、手付金20万円(前受金)との相殺と、残りの40万円は売掛金として仕訳します。
このように、より正確な期間損益計算ができるのが、実現主義の特徴です。

損益の計算における発生主義・現金主義・実現主義の違いとは

企業会計では、一定の会計期間の損益を計算することを『期間損益計算』と呼びます。
3月31日が決算日であれば、前年の4月1日から3月31日までの1年間が会計期間となり、その1年間の会社の収益から費用を差し引くことで期間損益を求めることができます。
このとき、収益と費用を計上するタイミングによって『発生主義』『現金主義』『実現主義』という考え方が存在します。
企業の会計担当者にとって、会計の基礎となる3つの概念について解説します。

現金主義はわかりやすい一方で弱点もある

会社には原則として、永続的に営業活動を行っていくという前提があります。
したがって、企業会計ではある一定の会計期間で区切り、その期間の損益を求めることで、その一定の会計期間の実績を表すのです。
会計期間は、決算日までの1年間で区切ることがほとんどですが、四半期(3カ月)や半年で区切ることもあります。

まず、長い会計の歴史のなかで、最初に生まれたのは現金主義でした。
現金主義は、その名の通り、現金のやり取りが発生した段階で損益が確定するという考え方です。
たとえば、30万円の商品を仕入れて、50万円で売った場合に、仕入れのタイミングで仕入れ値の30万円を計上し、売ったタイミングで売上金の50万円を計上します。
とてもシンプルでわかりやすい考え方ですが、前払いや後払いの際に、正しく損益計算が行えないのが弱点です。
30万円で仕入れた50万円の商品を後払いで売り上げた場合、現金がまだ手元にないため、50万円を計上することができません。

そこで、現金のやり取りに関わらず、取引が発生した段階(収益や費用が発生した段階)で計上を行う発生主義という考え方が生まれました。
発生主義は、仕入れ値や経費、売上金が確定した段階で計上するため、前払いや後払いにも対応することができます
前述の例では、後払いであっても50万円の商品を売った段階で売上金を計上できることになります。

そこで、発生主義では『減価償却』という方法で費用の計上を行います。
この減価償却が発生する資産のことを減価償却資産と呼び、一般的には時間の経過によってその価値が減っていく機械設備や器具、備品などが該当します
減価償却では、これらの減価償却資産の取得に使った費用を、一定の方法によって各年分の必要経費として配分して手続をします。
たとえば、機械の耐用年数が5年であれば、1年ごとに10万円ずつ、5年に渡って減価償却費として計上していくことになります。

つまり売上の立っていない収益(実現されていない収益)は、その会計期間の収益としては認められないということです。
そこで、日本の会計基準では、収益の計上に関して実現主義が採用されています。

実現主義は、収益の計上日は商品の販売やサービスの提供を実現した日となります。
具体的には「販売した日」や「提供した日」です。
たとえば、60万円の商品の発注を受けて、20万円の手付金を受け取ったとします。
このとき、発生主義であれば60万円をそのまま計上しますが、実現主義では手付金の20万円を前受金として計上します。
商品を取引先に受け渡した時点で60万円の売上を計上し、手付金20万円(前受金)との相殺と、残りの40万円は売掛金として仕訳します。
このように、より正確な期間損益計算ができるのが、実現主義の特徴です。

売上と費用はいつ計上?発生主義と実現主義と費用収益対応の法則

実現主義とは、収益が実現した時点で収益を計上するルールです。
具体的には、
①外部の第3者に対して、商品の引き渡しや、サービスの提供した時点
②対価(現金や売掛金)を受け取った時点

2つの要件を満たす必要があります。
(注意)上場企業等の監査対象企業は、2021年4月から、後述する新たな収益認識基準に従う必要がありますが、中小企業は、従来のルールで処理する事が認められているため、今回は従来のルールの解説を致します。 損益の計算における発生主義
但し、返品調整引当金・工事進行基準等の、実現主義の例外規定にて会計処理をしていた会社は、中小企業でも会計処理の変更が必要な場合があるので、専門家にご相談下さい。

手付金が支払われ場合

製品を得意先にカスタマイズしている期間に、前受金として、代金の一部が支払われた時、②の要件は満たしましたが、①の要件はまだ満たしていないので、この時点では売上は計上できません。
(参考の仕訳)
前受時:現金及び預金/前受金
実現時:前受金/売上高

商品を勝手に送り付けた場合

売上の形態にあった基準を適用しよう

売上と紐付いている費用は、費用収益対応の法則で計上

売上は、実現主義、
費用は、発生主義
で計上すると、1つ問題が出てきます。

たとえば、商品を仕入れて、その仕入れた商品が1年後に売れたとしましょう。
発生主義だけだと、この商品の費用計上時は、商品を仕入れた時点です。
最初の年は、商品の金額のみが費用に計上され、次の年は商品の販売価格のみが売上として計上されてしまい、経営実態をあらわさないちぐはぐな損益計算書になってしまいます。

費用収益対応の原則

費用収益対応の原則とは、売上の計上時に、その売上に直接紐づく費用を計上するというルールです。関連性のある売上と費用は常にセットで損益計算書に計上しましょうという事です。
なので、販売されるのを待っている在庫たちは、貸借対照表で棚卸資産として、売上が実現される日を待って、売上が実現された際、晴れて、売上原価として損益計算書に計上されるのです。
販管費は、売上との直接の関連性がないため、基本的に発生主義で計上します。

PLと収支に差が出た場合は、BSの勘定で待機する

現金の動きと収益費用のズレを調整するための、貸借対照表の科目を使います。
費用になれる日を待っている勘定は、前払費用や棚卸資産等です。
費用になっちゃったけど、支払いがまだな勘定は、買掛金、未払費用や引当金等です。
収益になっちゃったけど、入金がまだな勘定は、売掛金や未収金等です。
収益になれる日を待っている勘定は、前受収益や前受金等です。

クイズの答え

クイズ1の答え: 6月15日が費用の計上日となります。
(解説)発生主義だと3月15日となりますが、商品の仕入で売上と直接関係のある費用なので、費用収益対応の原則に従って、商品が売れた日である6月15日が費用の計上日となります。
4月30日の代金の支払いは、費用の認識には関係がありません。

クイズ2の答え: 4月20日が売上の計上日となります。
(解説)商品が納品されて、得意先もシステムの検収をしているので、4月20日に売上が実現し、売上計上日となります。この場合は、契約締結日や代金の入金日は関係ありません。

クイズ3の答え: 4月から6月までの各月が家賃の計上月となります。 損益の計算における発生主義

現金主義とは

ここで、現金主義とは、現金の動きがあった時点で収益費用を認識する考え方です。

なんで発生主義、実現主義、費用収益対応の法則に従う必要があるの?

ある会社が、
N期に商品(600)を仕入れました。
N+1期にその商品(600)の代金を支払いました。
N+2期に、その商品を1000で売掛金にて販売しました。
N+3期にその商品の販売代金(1000)の入金がありました。

このように、発生主義と実現主義と費用収益対応の原則に従わないと、PLに会社の経営成績が正しく反映されません。これは、損益計算書が一定期間に区切られているからです。
期間帰属を適切にするために、発生主義と実現主義と費用収益対応の原則に従う必要があります。
4期の合計を見るとすべて同じ結果になります。なので、これらのルールは、正しい期に費用と収益が帰属する為にあると言えます。

新しい収益認識基準

2018年3月30日に新たに「収益認識に関する会計基準」が公表され、監査対象法人は、2021年4月1日から、この新たな収益の認識基準を強制適用する事になります。 損益の計算における発生主義
新たな収益認識基準は、IFRS(国際会計基準)の内容とほぼ同様となり、国際的に会計基準の統一の動きに沿った改正となりました。
尚、中小企業は、任意適用で、従来の収益認識基準で処理することも認められています。

新たな収益認識基準は、前述の実現主義よりも更に具体的で、収益を、契約の識別、履行義務の識別、取引価格の算定、取引価格の履行義務への配分、履行義務の充足による収益の認識という5つのステップで認識していくものです。

企業会計原則(13)発生主義の原則

会計(基礎編)

財務会計(入門)

■ 損益計算の基本的考え方となる「収益」と「費用」を発生主義の考え方で認識する

会計(基礎編)

損益計算の基本は、収益と費用(コスト、原価という用語も含む)を対応させて、差額概念の「利益」を求めるところにあります。収益と費用が「いつ」の決算書に乗せるのが適切なのかを判断する会計的考え方を「発生主義」といいます。これを日本の会計的な基本概念(GAAP:Generally Accepted Accounting 損益の計算における発生主義 Principles)を表している『企業会計原則』の該当箇所を読み込んでいきましょう。

財務会計(入門編)_企業会計原則の構造

財務会計(入門編)_損益計算書原則の体系

A 発生主義の原則
すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。 前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。(注5)

■ 「費用」の発生は、価値費消に求めるの意味とは?

① 価値費消事実の発生
② 費消原因事実の発生

財務会計(入門編)発生主義で費用を考える

① 価値費消事実の発生
収益を上げることを目的として、有形物やサービスなどの用役に対価として支払った(または支払う予定の)経済的価値の犠牲のことで、簡単に言うなら、対価としてお金を支払った(または支払う予定が確実になっている)ことを指しています。

② 費消原因事実の発生
価値費消はまだ行われていないのですが、将来的にかなりの確度で価値費消が行われる原因が発生しており、前回説明した費用収益対応の原則に基づき、当期の収益との因果関係が相当レベル以上認められれば、それも費用として認めようというものです。

■ 「費用」の認識は現金の支払いから始まった

① 現金主義
② 権利義務確定主義(半発生主義)
③ 発生主義
④ 実現主義

① 現金主義
現金の収支事実に基づく損益計算を意味し、実際にお金のやり取りがあったタイミングで費用と収益を認識しようというものです。例えば、コンビニなどでお財布から硬貨を取り出して、レジで買い物が入ったビニール袋と交換でお金を支払った時、そのタイミングを費用が発生したと考えるものです。

② 権利義務確定主義(半発生主義)
民法176条「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」という条文に則り、例えば売買取引の当事者である買主と売主の間で、「買った」「売った」という意思表示がなされたときに費用を認識するという考え方です。これは、実際に対価として現金の受け渡しがなくても、意思表示がなされるだけで費用を認識する点が現金主義との大きな差異となります。

③ 発生主義
現代ビジネスにおいては、高度な信用経済で成り立っているので、手元に現金がなくても、クレジットカードを用いたり、つけ払いでものを購入することができます。つまり、実際に現金が動いていなくとも、信用取引によって債権債務が確定していれば、前倒しで費用の発生を認識しても実務的に問題はないと考えます。

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