FXってなに

フロー計算書とは

フロー計算書とは

キャッシュフローとは、現金や現金等価物の増減のことを指します。
財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、従業員、取引先など)に会社の状態を報告することです。その中の貸借対照表は、決算日の会社の財産の状況を報告し損益計算書はその事業年度の経営成績=どれだけの利益を獲得できたか?を報告します。
ここで問題となるのは「獲得した利益=現金等の増加額」ではないということです。
例えば、損益計算書上1億円の当期利益が計上されていても、その1億円の入金予定が1年以上先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産してしまう可能性があります。一方で、草創期のIT企業の多く(アマゾンなど)がそうであったように、多額の赤字を計上していても運転資金などを投資家や金融機関から調達することで損益計算上の危機を乗り切って大企業に成長する例もあります。
このように、現実の収入や支出=収支(キャッシュフロー)と損益にはズレが生じます。つまり、損益計算書と貸借対照表だけでは”使えるお金=会社の体力”がいくら増えたのかがわからないということになります。
したがって、キャッシュフロー計算書の目的は「損益と収支のズレを補正して現金の増減がどれだけあったのか」を報告することと言えるでしょう。

経費精算書による経費精算の基礎!システム導入で業務を効率化しよう

経費精算とは、従業員が自分で支払った費用を、会社が従業員に払い戻す業務のことです。交通費や宿泊費は、従業員が立て替えるケースが多いため、経費精算の処理が発生しやすくなります。

経費として処理できる費用は、会社の事業運営に直接関係する支出です。従業員が現金で支払っている場合、領収書やレシートで、金額や支払先などを確認する必要があります。

事業運営に直接関係しない費用でも、会社の利益につながる支出だと判断されれば、経費計上が可能です。例えば取引先の接待で支払った会食費は、経費として認められやすいでしょう。

経費精算書は経費精算に必要な書類

経費を精算する際に、必要となる書類が「経費清算書」です。経費を立て替えた従業員が、経費清算書を会社に提出すれば、立て替えた費用が会社から返金されます。

経費精算書にはいくつかの種類があります。仮払経費精算書・出張旅費精算書・交通費精算書などが、代表的な書類です。

経費清算書の提出時には、領収書やレシートなど、「従業員が支払いをしたこと」を証明できる書類の添付が必要です。多くの企業で提出期限が設けられています。

経費精算書を使った経費精算のフロー

経費精算

従業員が経費精算書を作成して提出

経費精算は1カ月単位で行うのが基本です。従業員が自分で立て替えた交通費や、消耗品費などを月末にまとめ、清算書を作成して提出します。

月をまたいで清算したり、数カ月分の費用をまとめて申請したりすると、経理担当者に負担がかかりかねません。立て替えが発生した月に、精算書を作成・提出するのが一般的です。

経費の立て替え時から申請までに期間が空いてしまうと、領収書を紛失したり、利用目的が分からなくなったりする恐れもあります。ミスを減らすためにも、小まめに清算することが大切です。

上長に書類を提出し承認をもらう

経費清算書は経理部に提出する前に、所属部署の上長に確認を取る方法が一般的です。経費の正当性や金額・使用目的に間違いがないかなどを、上長にチェックしてもらう必要があるためです。

上長が経費を認めて承認印を押すことで、精算書が正式なものとなります。承認印が押されていない清算書は、経理に受理してもらえません。

上長に承認をもらうプロセスでは、清算に遅れが生じやすくなります。紙の書類で対応している場合、不在にしていることが多い上長だと、外出先からは対応できません。忙しい上長だと、承認作業が後回しになってしまうこともあります。

経理によるチェックと承認

上長の承認を得た後は、経費清算書を経理に提出します。部下が多い上長や常に忙しい上長は、チェック時にミスが発生することも多いため、経理でもしっかりと内容を確認しなければなりません。

記載内容に不備がなければ承認し、立て替え分を従業員に払い戻します。少額なら現金、まとまった金額であれば銀行振込で対応するのが一般的です。

経理のチェックで不備が見つかった場合は、書類を従業員に差し戻します。テンプレートが複雑なケースや、上長のチェックが甘いケースでは二度手間になり、経理の負担が大きくなります。

経費精算書を使った経費精算の課題 フロー計算書とは

レシートの上のクエスチョンマーク

申請に時間がかかる

経費精算書で申請する大きな課題として、承認までのプロセスに時間がかかることが挙げられます。

そもそも経費精算はプロセス自体が複雑です。立て替え・申請・上長の承認・経理といった流れのため、問題なく進んだとしても、多くの人の手を介するので時間がかかります。

計算ミスや転記ミスが発生しやすいことも、時間がかかる原因の一つです。修正や差し戻しが発生すると、さらに時間がかかります。ミスをなくそうとすればするほど、時間がかかってしまうでしょう。

領収書やレシートの管理が大変

経費精算書を提出するときには、証拠書類となる領収書やレシートの添付が必須です。清算書が多いほど、領収書やレシートも増えるため、管理にも手間がかかります。

領収書やレシートは最低7年間の保存義務があり、なくさないように管理しなければなりません。書類の量が膨大になる場合は、保管スペースの確保も必要です。

領収書やレシートは後から振り返ることもあるため、ノートに貼ったり月別に袋に入れたりして管理する必要があります。管理方法を厳格にし過ぎると、管理にかかる負担も増してしまいます。 フロー計算書とは

経理担当者にかかる負担が大きい

経費精算書を使った経費精算は、経理担当者にも大きな負担がかかります。申請のたびに書類をチェックしなければならず、ミスがあれば指摘して、差し戻さなければなりません。

経理側でミスが発生すると、後から問題になるケースがあるので、チェック作業に気が抜けない点もポイントです。清算書の処理が多くなれば、通常業務に支障をきたす恐れもあります。

小口現金の計算作業に、時間をとられやすいこともデメリットです。申請する従業員が多くなるほど、経理担当者にかかるチェックや、清算作業の負担が大きくなります。

経費精算システムで経理の業務を効率化

電卓とパソコンを使うビジネスマン

経費精算システムとは

経費精算システムは、経理の業務を効率化できるシステムです。申請・確認・承認など、経費精算に必要な作業の負担を、大幅に軽減できます。物品購入費・交際費・交通費・出張費の処理が多い企業なら、経費精算システムが活躍するでしょう。

単純に紙やエクセルの機能をWebに移しただけではない点が、経費精算システムの大きな特徴です。例えば領収書を撮影するだけで、入力できる機能を使えば、ミスの削減につながります。

経費精算システムの種類は、自社にサーバーを設置するオンプレミス型と、ネット上のシステムを利用するクラウド型に分けられます。導入のハードルが低くコストも抑えられる、クラウド型が人気です。

導入するメリット【申請者側】

経費精算システムを導入する申請者側のメリットとして、手作業による入力ミスを減らせることが挙げられます。自動入力機能が搭載されたシステムを選べば、領収書やレシートを撮影するだけで、正確な入力が可能です。

交通系ICカードの読み取り機能が付いているシステムを使えば、交通費の精算も簡単に行えます。乗車区間を検索し、運賃を調べる必要がありません。

承認までのスピードアップができる点も魅力です。クラウド型なら場所を問わずシステムにアクセスできるため、申請者の清算書作成や上長の承認を、会社に戻って行う必要がなくなります。

導入するメリット【経理側】

経費精算システムは経理側にもさまざまなメリットがあります。経費精算にかかる業務負担の、大幅な軽減につながることが魅力です。

紙で申請を受けた場合、経理はミスをチェックしなければなりません。しかし自動入力機能付きシステムなら、計算ミスが発生しないため、確認作業の短縮が可能です。ミスを発見した場合も、システム上で簡単にコメントを残せます。

会計システムと連携できる経費精算システムを導入すれば、会計ソフトへ入力する手間が発生しないこともメリットです。

経費精算システムの選び方

パソコンのセキュリティ

経費精算を楽にする機能があるか

経費精算システムを導入する大きな目的は、経費精算作業の効率化です。システムを選ぶ際は、経費精算を楽にする機能があるか確認しましょう。

経費精算システムの中には、最新テクノロジーが生かされておらず、表計算ソフトと変わらない操作性のものもあります。手作業で行っていた業務を、自動化できるかどうかがポイントです。

OCRやクレジットカード連携、ICカードの読み取りなど、普段行う業務を楽にしてくれる機能を持ったシステムを選びましょう。

会社の規模に合ったシステムか

経費精算システムの種類によっては、利用できる企業の規模が決まっているケースもあります。自社の規模に合ったシステムかどうか、導入前に確認しましょう。

中小規模企業向けのシステムは、シンプルで導入しやすい価格設定のものが多い傾向にあります。機能不足が懸念されるため、求める機能があるか確かめましょう。

大規模企業向けのシステムは、多彩な機能が搭載されている反面、価格は割高です。コストに見合う働きが期待できるか、見極める必要があります。

会計システムと連携できるか

経費精算システムを会計システムと連携できれば、経費精算以外の業務にかかる手間を削減できます。経理の業務負担が軽減されるでしょう。

多くのシステムでは、データをCSVファイルでインポートできます。入出力に手間はかかりますが、手作業の大幅な削減が可能です。

API連携機能を搭載したシステムなら、データ入力も自動化できます。会計システムとの連携を考えてサービスを選ぶ場合は、より簡単に連携できる、同シリーズのシステムを選ぶのがおすすめです。

國貞克則先生に聞く「決算書の読み方 初心者向け」全6回(4)キャッシュフロー計算書(CS)とは

CSは英語で“Cash Flow Statement”、直訳すれば「現金流れ計算書」、つまりCSは現金の出入りを表す「収支計算書」です。
収支計算書は、通常「収入」「支出」「残高」の3つの欄に分かれていますが、企業が作る収支計算書であるCSは違った分かれ方をしています。「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3つの欄に分かれています。なぜこのように分かれているかということは、連載の第1回で説明したとおりです。
図4-1で各欄に何が書かれているかを説明していきましょう。一番上の営業キャッシュフローの欄は、商品やサービスの販売による収入や、商品の仕入や給料の支払いによる支出など、営業活動による現金の動きが表されています。

図:CSの構造

図4-1のCSの表の中の項目を見てください。営業収入(+)、商品の仕入支出(-)、人件費支出(-)、その他の営業支出(-)など、現金が入ってくるものは(+)、現金が出ていくものは(-)で表されています。
真ん中の投資キャッシュフローの欄は、株式などの有価証券の取得や売却、工場や設備などの固定資産の取得や売却など、投資活動による現金の動きが表されています。
図4-1のCSの表の中の項目を見てください。有価証券や固定資産を取得すれば現金が会社から出ていくので(-)、有価証券や固定資産を売却すれば現金が会社に入ってくるので(+)で表されています。
一番下の財務キャッシュフローの欄は、株式発行による資本金としての収入や、金融機関からの借入やその返済など、財務活動による現金の動きが表されています。
図4-1のCSの表の中の項目を見てください。借入をしたり、株式発行して資本金を注入してもらったりすれば現金が会社に入ってくるので(+)、借入金を返済すれば現金が会社から出ていくので(-)で表されています。

見れば会社の状況はおおよそ把握できるキャッシュフロー計算書とそのグラフ

キャッシュフロー計算書(CS)の重要性が高まってきている

昔は、決算書と言えば基本的にPLとBSでした。それは、人為的に作りだした事業年度(通常1年)の営業活動を正しく計算するということがまず必要だったからです。つまり、PLは1事業年度の正しい営業活動を反映させるために、現金の動きのありなしにかかわらず取引が成立すれば、その取引はその事業年度のPLに計上されます。しかし、このことによってPLだけでは現金の動きがわからなくなってしまいました。
さらに、PLは会計上の前提や認識によって正しい利益を計算していきますので、それが少し悪用されればすぐに粉飾に繋がっていきます。
一方、CSは現金の動きをあらわす表ですから、なかなか粉飾できません。CSの現金残高が、金庫や金融機関に預貯金されている現金と一致しなければ、CSはどこかが間違っていることになるからです。
私の会計研修には、米国の子会社に社長として赴任したが、「会計がわかっていないと社長は務まらない」と言って、帰国時に私の会計研修を受講される方がおられます。彼らが口を揃えて言うことは、米国の金融機関が企業にまず提出を要求してくるのはCSだということです。
日米欧ともに、決算書の掲載順はBS、PL、CSですが、アマゾンの決算書を見ると、最初にCSが掲載されています。CSの重要性が高まってきているのだと思います。

キャッシュフロー計算書(CS)から会社の状況や経営者の意思が見えてくる

図:CSの8つのパターン

業績の良い会社は営業キャッシュフローが(+)になります。営業支出より営業収入の方が多い、営業活動をすればするほど会社に現金が増えている状況です。①から④のパターンです。
そのような会社は一般的に財務キャッシュフローが(-)になっています。つまり、借金をどんどん返済して経営安定性の高い優良企業を目指すわけです。②や④のパターンです。
③のパターンは調子が良くて将来戦略が明確な優良企業の例です。調子の良い会社ですから、もちろん営業キャッシュフローは(+)で、営業活動によって現金を増やしています。将来の事業戦略が明確な会社は将来に向けての積極的な投資を行います。ですから投資キャッシュフローは(-)です。この投資に必要なお金を、自分で稼ぎ出したお金(営業キャッシュフロー)だけでなく、銀行からの借入金や株式の発行などによって調達してきているのです。なので、財務キャッシュフローが(+)になっています。
一方で、業績の良くない会社は営業キャッシュフローが(-)になります。営業収入より営業支出の方が多い、つまり営業活動をすればするほど会社の現金が減っていっている状況です。⑤から⑧のパターンです。
そのような業績の悪い会社に天からお金が降ってきたりしませんので、そのような会社は一般的に財務キャッシュフローが(+)になっています。つまり、事業効率が悪くて営業活動すればするほど会社のお金が少なくなっていっているのを、借金をしてなんとか現金をつないでいるような状況です。⑤や⑦のパターンです。
さらに状況が悪いのは⑤のパターンです。営業キャッシュフローが(-)で財務キャッシュフローが(+)になっています。さらに、この会社は投資キャッシュフローまで(+)です。
投資キャッシュフローがプラスというのは、誤解しやすいのですが、投資活動によって現金が入ってきているということです。つまり、自分が持っている土地や株式などの資産を売却してお金を集めているわけです。
このような「-、+、+」の会社は、営業すればするほど会社のお金が少なくなっているのを、銀行からお金を借りるだけでなく、自分の体を切り売りしてなんとかお金を繋いでいるという、かなり状況の悪い会社です。
このように、CSのパターンを見れば会社の状況はおおよそ把握できるのです。

スーツに笑顔の國貞先生

國貞克則(くにさだ・かつのり)
ボナ・ヴィータ コーポレーション代表取締役
1961年岡山県生まれ。東北大学機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント建設事業部、人事部、企画部、海外事業部を経て、1996年米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年ボナ・ヴィータ コーポレーションを設立。ドラッカー経営学の導入支援や会計研修が得意分野。著書は『財務3表一体理解法』(朝日新書)、『ドラッカーが教えてくれる「マネジメントの本質」』(日本経済新聞出版)など多数。訳書に『財務マネジメントの基本と原則』(東洋経済新報社)がある。

キャッシュフロー計算書とは?目的と構成 【シリーズ:経理のはなし8 初心者向け】

キャッシュフローとは


一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

■ キャッシュフロー計算書はなぜ必要なのか?

簡単な例を挙げてみましょう。
損益計算書上の当期利益 1億円(以下の処理以外は補正済みとする)
・当期3,000万円の固定資産を購入した
・パソコンの減価償却費は1,000万円である フロー計算書とは
この場合のキャッシュフロー額は
1億円-3,000万円+1,000万円=8,000万円(この計算の意味は後ほどご説明します)
当期利益は1億円ありますが、手持ちの資金は8,000万円です。
この2,000万円の差を説明するのがキャッシュフロー計算書です。一般的に、損益計算と現金などの収支を補正することが目的です。

■キャッシュフローとは

キャッシュフロー作成


キャッシュフローとは、現金や現金等価物の増減のことを指します。
財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、従業員、取引先など)に会社の状態を報告することです。その中の貸借対照表は、決算日の会社の財産の状況を報告し損益計算書はその事業年度の経営成績=どれだけの利益を獲得できたか?を報告します。
ここで問題となるのは「獲得した利益=現金等の増加額」ではないということです。
例えば、損益計算書上1億円の当期利益が計上されていても、その1億円の入金予定が1年以上先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産してしまう可能性があります。一方で、草創期のIT企業の多く(アマゾンなど)がそうであったように、多額の赤字を計上していても運転資金などを投資家や金融機関から調達することで損益計算上の危機を乗り切って大企業に成長する例もあります。
このように、現実の収入や支出=収支(キャッシュフロー)と損益にはズレが生じます。つまり、損益計算書と貸借対照表だけでは”使えるお金=会社の体力”がいくら増えたのかがわからないということになります。
したがって、キャッシュフロー計算書の目的は「損益と収支のズレを補正して現金の増減がどれだけあったのか」を報告することと言えるでしょう。

■ 損益計算の原則 発生主義と現金主義

損益を計算するための原則の一つに”発生主義”が挙げられます。
発生主義とは、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」(企業会計原則より)というものです。
わかりやすく言えば、「取引が発生したら仕訳をしましょう」ということです。そして発生主義に対する考え方に”現金主義”があります。
「9月1日に商品を1万円で販売し、10月1日に1万円が普通預金に振り込まれた」という具体例で考えてみましょう。
・発生主義による処理

9/1 借方:売掛金 10,000円 貸方:売上高 10,000円
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売掛金 10,000円

これにより、損益計算上は9月に10,000円の収益が計上されることになります。
・現金主義による処理

9/1 仕訳なし
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売上高 10,000円

この結果、損益計算上は10月に10,000円の収益が計上されることになります。
・期間損益という考え方
先程も述べましたが、損益計算書は「一定期間(事業年度)の経営成績」を報告するものです。この一定期間の損益のことを「期間損益」といいます。
先ほどの具体例に「決算日 9月30日」という条件をつけてみます。そうすると発生主義と現金主義では、それぞれの期間損益(前期の利益と当期の利益)に10,000円のズレが生じていることがわかると思います。
経理処理方法の違いによる期間損益のズレをなくすために「損益計算は発生主義で処理しましょう」というルールが生まれました。

■ 損益と収支がズレる代表例

キャッシュフロー計算書を作成する上では、発生主義と現金主義の違い以外にも損益と収支を補正する必要があります。代表的なパターンを挙げてみましょう。
・パターン1
現金を支出していないが費用が計上できる場合・・・減価償却費や引当金など
この場合において、購入した固定資産を費用化するために減価償却という方法による減価償却費計上します。この減価償却費や、賞与や退職金などの引当金は、現実に費用を支出を伴わないため、期間損益と収支の補正が必要となります。
・パターン2
現金を支出したが費用とならない場合・・・建物や車両などの固定資産を購入した場合など
この場合、現金や預金などは支出されますが、損益計算上は固定資産の購入は費用として処理することはできません。
※最初に挙げました例はこれらでご理解できたでしょうか?
・パターン3
現金の増減はあるが損益に関係ない場合・・・借入や資本金の変動
運転資金を金融機関などからの借入金で賄った場合など、現金は増加していますが借入金は収益ではありませんので損益計算にはあらわれません。このような場合もキャッシュフロー計算書では補正します。

■ キャッシュフロー計算書の構成

CFテンプレート

出典 中小企業庁 「キャッシュフロー計算書の様式例」 を ※一部加工http://www.フロー計算書とは chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei38/kaikei35.htm

キャッシュフロー計算書は企業のどのような活動によってキャッシュフローの増減がもたらされたかをあらわします。その活動は次の3つに区分されています。
・営業活動によるキャッシュフロー
営業損益に関する取引のキャッシュフローをあらわします。(パターン1)
・投資活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での資産に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン2)
・財務活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での負債と純資産の部に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン3)
キャッシュフロー計算書の大まかな説明は以上です。もっと詳しい内容についてはまたの機会にご説明したいと思います。また、キャッシュフローに関する書籍も多数発売されていますので、もう少し勉強してみたいという方はぜひご覧になってください。

國貞克則先生に聞く「決算書の読み方 初心者向け」全6回(4)キャッシュフロー計算書(CS)とは

CSは英語で“Cash Flow Statement”、直訳すれば「現金流れ計算書」、つまりCSは現金の出入りを表す「収支計算書」です。
収支計算書は、通常「収入」「支出」「残高」の3つの欄に分かれていますが、企業が作る収支計算書であるCSは違った分かれ方をしています。「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3つの欄に分かれています。なぜこのように分かれているかということは、連載の第1回で説明したとおりです。
図4-1で各欄に何が書かれているかを説明していきましょう。一番上の営業キャッシュフローの欄は、商品やサービスの販売による収入や、商品の仕入や給料の支払いによる支出など、営業活動による現金の動きが表されています。

図:CSの構造

図4-1のCSの表の中の項目を見てください。営業収入(+)、商品の仕入支出(-)、人件費支出(-)、その他の営業支出(-)など、現金が入ってくるものは(+)、現金が出ていくものは(-)で表されています。
真ん中の投資キャッシュフローの欄は、株式などの有価証券の取得や売却、工場や設備などの固定資産の取得や売却など、投資活動による現金の動きが表されています。
図4-1のCSの表の中の項目を見てください。有価証券や固定資産を取得すれば現金が会社から出ていくので(-)、有価証券や固定資産を売却すれば現金が会社に入ってくるので(+)で表されています。
一番下の財務キャッシュフローの欄は、株式発行による資本金としての収入や、金融機関からの借入やその返済など、財務活動による現金の動きが表されています。
図4-1のCSの表の中の項目を見てください。借入をしたり、株式発行して資本金を注入してもらったりすれば現金が会社に入ってくるので(+)、借入金を返済すれば現金が会社から出ていくので(-)で表されています。

見れば会社の状況はおおよそ把握できるキャッシュフロー計算書とそのグラフ

キャッシュフロー計算書(CS)の重要性が高まってきている

昔は、決算書と言えば基本的にPLとBSでした。それは、人為的に作りだした事業年度(通常1年)の営業活動を正しく計算するということがまず必要だったからです。つまり、PLは1事業年度の正しい営業活動を反映させるために、現金の動きのありなしにかかわらず取引が成立すれば、その取引はその事業年度のPLに計上されます。しかし、このことによってPLだけでは現金の動きがわからなくなってしまいました。
さらに、PLは会計上の前提や認識によって正しい利益を計算していきますので、それが少し悪用されればすぐに粉飾に繋がっていきます。
一方、CSは現金の動きをあらわす表ですから、なかなか粉飾できません。CSの現金残高が、金庫や金融機関に預貯金されている現金と一致しなければ、CSはどこかが間違っていることになるからです。
私の会計研修には、米国の子会社に社長として赴任したが、「会計がわかっていないと社長は務まらない」と言って、帰国時に私の会計研修を受講される方がおられます。彼らが口を揃えて言うことは、米国の金融機関が企業にまず提出を要求してくるのはCSだということです。
日米欧ともに、決算書の掲載順はBS、PL、CSですが、アマゾンの決算書を見ると、最初にCSが掲載されています。CSの重要性が高まってきているのだと思います。

キャッシュフロー計算書(CS)から会社の状況や経営者の意思が見えてくる

図:CSの8つのパターン

業績の良い会社は営業キャッシュフローが(+)になります。営業支出より営業収入の方が多い、営業活動をすればするほど会社に現金が増えている状況です。①から④のパターンです。
そのような会社は一般的に財務キャッシュフローが(-)になっています。つまり、借金をどんどん返済して経営安定性の高い優良企業を目指すわけです。②や④のパターンです。
③のパターンは調子が良くて将来戦略が明確な優良企業の例です。調子の良い会社ですから、もちろん営業キャッシュフローは(+)で、営業活動によって現金を増やしています。将来の事業戦略が明確な会社は将来に向けての積極的な投資を行います。ですから投資キャッシュフローは(-)です。この投資に必要なお金を、自分で稼ぎ出したお金(営業キャッシュフロー)だけでなく、銀行からの借入金や株式の発行などによって調達してきているのです。なので、財務キャッシュフローが(+)になっています。
一方で、業績の良くない会社は営業キャッシュフローが(-)になります。営業収入より営業支出の方が多い、つまり営業活動をすればするほど会社の現金が減っていっている状況です。⑤から⑧のパターンです。
そのような業績の悪い会社に天からお金が降ってきたりしませんので、そのような会社は一般的に財務キャッシュフローが(+)になっています。つまり、事業効率が悪くて営業活動すればするほど会社のお金が少なくなっていっているのを、借金をしてなんとか現金をつないでいるような状況です。⑤や⑦のパターンです。 フロー計算書とは
さらに状況が悪いのは⑤のパターンです。営業キャッシュフローが(-)で財務キャッシュフローが(+)になっています。さらに、この会社は投資キャッシュフローまで(+)です。
投資キャッシュフローがプラスというのは、誤解しやすいのですが、投資活動によって現金が入ってきているということです。つまり、自分が持っている土地や株式などの資産を売却してお金を集めているわけです。
このような「-、+、+」の会社は、営業すればするほど会社のお金が少なくなっているのを、銀行からお金を借りるだけでなく、自分の体を切り売りしてなんとかお金を繋いでいるという、かなり状況の悪い会社です。
このように、CSのパターンを見れば会社の状況はおおよそ把握できるのです。

スーツに笑顔の國貞先生

國貞克則(くにさだ・かつのり)
ボナ・ヴィータ コーポレーション代表取締役
1961年岡山県生まれ。東北大学機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント建設事業部、人事部、企画部、海外事業部を経て、1996年米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年ボナ・ヴィータ コーポレーションを設立。ドラッカー経営学の導入支援や会計研修が得意分野。著書は『財務3表一体理解法』(朝日新書)、『ドラッカーが教えてくれる「マネジメントの本質」』(日本経済新聞出版)など多数。訳書に『財務マネジメントの基本と原則』(東洋経済新報社)がある。

キャッシュフロー計算書 直接法のメリットデメリット 徹底解説

1x1.trans - キャッシュフロー計算書 直接法のメリットデメリット 徹底解説

キャッシュフロー計算書は決算書のひとつで、会社のお金の流れを示す書類である。 いわば「会社の家計簿」のようなもので、財政状況を把握するために重要な役割を担う 。キャッシュフロー計算書の計算方法には、「直接法」と「間接法」の2種類がある。 直接法とは、営業活動に関する収入や支出などのキャッシュフローを総額でとらえて、キャッシュフローの増減理由を「直接的」に表示する方法 を指す。具体的には商品の販売や仕入れ、経費の支払い、給料の支払いといった主要な取引ごとにキャッシュフローの総額を表す。

1x1.trans - キャッシュフロー計算書 直接法のメリットデメリット 徹底解説

キャッシュフロー計算書 直接法の考え方と利用方法

1x1.trans - キャッシュフロー計算書 直接法のメリットデメリット 徹底解説

  • 商品の販売による収入
  • 商品の仕入れによる支出
  • その他の支出のうち主要なもの

商品の販売による収入

商品の仕入れによる支出

その他の支出のうち主要なもの

キャッシュフロー計算書 直接法のメリットデメリット

直接法のメリット

直接法によるキャッシュフロー計算書のメリットは、 主要な取引ごとにキャッシュフローを計算するため、会社のキャッシュフローの状況の全体像が分かりやすい ことである。営業収入はいくら、仕入支出はいくら、というように金額が記載されており、一目で会社の詳細なキャッシュフローの状況を把握できる。キャッシュインとキャッシュアウトの内訳が明らかとなり、明瞭性もある。将来キャッシュ・フローを予測する場合にも役立つだろう。

直接法のデメリット

間接法との違いとは?

営業活動に関する収入や支出などのキャッシュフローを総額でとらえて、その増減理由を直接的に表示する直接法。それに対して、 間接法はキャッシュの動きに関する部分だけを計算する方法 である。損益計算書の当期純利益をベースとして、調整項目を加減してキャッシュフローの増減を間接的に表示する。取引ごとの膨大なデータが必要となる直接法と異なり、間接法は基本的に当期分の損益計算書、前期分の貸借対照表、当期分の貸借対照表の3つの書類があれば作成できる。融資の借り換え、固定資産の取得や売却、有価証券の購入や売却、法人税の中間納付などを行っている場合は、それに付随する資料も必要となる。直接法と比べると 作成にかかる手間は大幅に軽減することができるため、ほとんどの企業が間接法を選択する 。しかし、財務状況の全体像を把握するのは難しくなる。どちらの方法で作成しても最終的な営業キャッシュフローの値は同じになる。双方のメリット・デメリットを考慮して、 会社の状況に応じて最適な方法を選ぶ必要がある 。

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